目次
悪石島とは?どんな島なのか基本情報を紹介
悪石島(あくせきじま)は、鹿児島県十島村に属する有人島で、トカラ列島の中央に位置する小さな島です。人口は89人、世帯数は43世帯(2025年5月1日現在)と非常に少なく、豊かな自然や独特の文化、そして温泉や火山活動でも知られています。
島の面積は約7.5平方キロメートルで、島全体が火山性地形に囲まれており、独特の地形美を楽しめます。観光地化は進んでいないため、手つかずの自然を求める人や、離島マニアにとっては“秘島”といえる存在です。
悪石島という名前の由来とは?
「悪石島」という名前は一見すると物騒な響きがありますが、いくつかの説が存在しています。もっとも有力なのは、「悪しき石(荒々しい岩場)」が多いことから名付けられたという説です。島の周囲には険しい岩場が多く、船の接岸が難しいことから、古くは「船乗り泣かせの島」とも言われていたとか。
また、別の説では、古代の方言で「悪(あ)く」は「荒れる」「激しい」という意味があり、「悪石」は“荒ぶる岩”や“荒波にさらされる島”を指すとも言われています。つまり、「悪」は悪意ではなく、自然の荒々しさを意味する言葉だった可能性が高いのです。
その他にも、地元に伝わる民話や伝承が島名の由来に影響している可能性もあり、詳細は明らかではないものの、自然や地形と密接に関係していることは間違いありません。
悪石島はどこにある?地理的位置と特徴
悪石島は、鹿児島県本土と奄美大島の中間に位置するトカラ列島(吐噶喇列島)の中央部にあります。地理的には、屋久島よりも南、奄美大島よりは北にあり、亜熱帯気候に属しています。
火山活動が活発な地域にあり、島内には天然の露天風呂「平家の湯」なども存在します。島の南部では噴気が見られ、地熱の影響を感じることができます。さらに、毎年夏には「ボゼ」と呼ばれる奇習(仮面をかぶった神の使いによる伝統行事)も行われ、文化的にも非常にユニークな島です。
また、悪石島を含むトカラ列島(十島村)は、釣りファンの間では「GTフィッシング(ジャイアント・トレバリー)」「大物ジギング」の聖地とも言われています。中でも悪石島沖は潮流が複雑で、大型魚が集まりやすいポイントとされています。
悪石島へのアクセス方法は?
悪石島へのアクセスは、鹿児島港から出港するフェリー「としま」を利用するのが一般的です。このフェリーは十島村が運航しており、鹿児島から悪石島までは約11時間~13時間程度かかります。途中で中之島や口之島など他のトカラ列島の島々を経由するため、日によって到着時間が変動します。
便数は週に2~3便程度で、悪天候時には運休することも多いため、訪問には柔軟なスケジュール調整が必要です。飛行機での直接アクセスはできません。
なお、宿泊施設は限られており、事前の予約や地域との連絡調整が必要になります。訪れる前には必ず情報を確認しましょう。
まとめ:悪石島の魅力と名前に込められた意味
悪石島は、その名の印象とは裏腹に、豊かな自然と独自の文化を持つ魅力あふれる島です。「悪石」という名前は、荒々しい自然や地形から来ており、決してネガティブな意味ではありません。
アクセスこそ難しいものの、そのぶん人の手が加わっていない自然や、他では体験できない伝統行事に触れることができます。都会の喧騒を離れ、本当の意味での“秘境”を体験したい人にとって、悪石島はまさにぴったりの旅先です。
当ブログでは、旅行にまつわる疑問などを分かりやすくご紹介しています。ぜひご覧ください。