宇宙と同様に、未だ謎が多く未知の世界である深海。
太陽の光は届かず真っ暗で深海は簡単に行けない場所であり、独特の姿形をした生き物が生息する場所。
深海は怖いという印象を持っている人も多いのではないでしょうか。
そんな深海について、水深何mからが深海なのかや、最深部はどこなのかなどを紹介します。
深海について
1.水深何mからが深海か
厳密な定義はないものの、一般的に水深200mより深い所が深海とされています。
水深200mより浅い所を表層といいます。
深海は深度によって以下のように区分されています。
200m〜1000m 中深層
1000m〜3000m 漸深層
3000m〜6000m 深海層
6000m〜 超深海層
2.深海の環境
深海は海の奥深くであることから真っ暗で、大きな水圧がかかり、また低水温であることから、専用の潜水艇がなければ人間が足を踏み入れることは不可能なほど過酷な環境です。
水圧(気圧)
10mごとに1気圧ずつ増えていきます。水深200mで約20気圧、水深1000mで約100気圧になります。
そのような大きい気圧の中で深海魚などの生物が生きていられるのは、海水と体内の圧力が同じになっているからです。
水温
高緯度と低緯度の海域で違いはあるものの、
水深が深くなるにつれて温度は下がっていき、水深3000m以降は約1.5℃程度で定着します。
明るさ
水深が深くなるほど光は届かなくなっていきます。
水深約70mでは地上の約0.1%の光しか届かず、水深200m〜400mでは人間が知覚することはできない暗さになります。
水深1000m程度までは、わずかではあるものの光が届くとされていて、深海の生物にはその光を感知できるように大きな目を持つ生き物も多く存在します。
生物
深海の過酷な環境に生息する生物たちには、光を感知できる大きな目や発光器官を持っていたりと、表層とは違った特徴のある生物が多く存在します。
水圧に耐えうる固い鱗を持ったシーラカンスなどの魚もいれば、あえて鱗を持たない魚などもいます。
深海の構造
1.深海の地形
海底は陸地と同様に山や谷などの地形が存在しています。
海嶺と海溝
地中に位置していたマントルが盛り上がってできた海底山脈を海嶺、
海洋プレートが大陸プレートに沈み込んでできた海底の大きな溝を海溝と呼びます。
主な海嶺と海溝
・大西洋中央海嶺 ・東太平洋海嶺
・マリアナ海溝 ・トンガ海溝
海底火山
火山活動が活発な海嶺では、地熱で熱せられ200〜400℃にもなった水が噴出する熱水噴出孔があります。
噴出された水には化学物質が含まれていることから、噴出孔の周辺ではジャイアントチューブワームと呼ばれる生物や、二枚貝、カニなどが生息し、複雑な生態系を形成しています。
2.地球上で最も深い場所
地球で最も深い場所、深海の最深部は世界で最も深い海溝であるマリアナ海溝の最深部、チャレンジー海淵です。
水深10,911mとされていて、世界最高峰の山であるエベレスト(標高8,848m)よりも大きい数値となっています。