皆さんは『彗星』について詳しくご存知ですか?
「聞いたことはあるけど…流れ星の一種かな?」と考える人も多いのではないでしょうか。
実は彗星と流れ星は違うものです。
今回は彗星とは何かや、見つけ方などを紹介していきます。
彗星について
彗星は太陽の周りを回っている小天体で、主に氷やチリでできています。
英語ではコメット(comet)と呼ばれ、日本ではほうき星とも呼ばれています。
彗星の尾
彗星といえば真っ直ぐ伸びている尾が特徴的ですが、実はいつも尾を引いているわけではありません。
彗星は太陽に近づくと、太陽の熱で氷が溶け始めます。
それによって発生したガスは、彗星の本体である核の周りを覆うコマと呼ばれる希薄な大気となります。
このコマが太陽によって光って見え、尾になるのです。
尾には2種類あり、チリや金属で構成されたダストテイルと呼ばれる白っぽい尾と
ガスがイオン化されたもので構成されているイオンテイルと呼ばれる青っぽい尾があります。
彗星は流れ星とは違う?
彗星と流れ星は、どちらも尾を引いていて見た目が似ているように感じますね。
冒頭でお伝えしたように、彗星と流れ星の2つは異なるもので、
彗星は太陽系の小天体であり、太陽に近づいた際に熱で氷が溶け、それにより発生したガスによって光って見えています。
流れ星は宇宙のチリが地球の大気に衝突し、その際の摩擦によって光って見えます。
彗星と流れ星の見分け方の1つとして、尾の方向があります。
彗星は進行方向と関係なく、太陽の反対側に伸びていきます。
流れ星は進行方向の後ろ側に伸びていて、また彗星と比べると、一瞬光って見えるといった見え方をします。
ちなみに、「流れ星」と「流星」は同じものです。
有名な彗星
ハレー彗星
約76年周期で地球に接近する彗星。前回は1986年に回帰し、次回は2061年の夏に接近すると予測されています。
約76年周期という、人の寿命の短さほどの回転周期であることから、周期彗星であることが初めて明らかになった彗星です。
ハレー彗星にまつわる話
小説『トム・ソーヤーの冒険』の筆者として有名なマーク・トウェインは
「私はハレー彗星が空にかかる頃にこの世に生まれた。だから私は、ハレー彗星と共に旅立つのだ。」
という言葉を生前に残しており、その通りに、
1835年の回帰時にこの世に生まれ、1910年の回帰時、丁度近日点を通過する頃にこの世を去っています。
池谷・関彗星
日本のアマチュア天文観測家によって1965年に発見された彗星です。
過去に近日点直前で核が3つに分裂し、1つは太陽に衝突しましたが、残る2つの核であるA核、B核は現在も存在しています。
A核の公転周期は877年。B核の公転周期は1057年と考えられています。
ウェスト彗星
公転周期3.3年というパンスターズ彗星に次いで2番目に短い周期を持っていて、ハレー彗星の次に周期性が発見された彗星です。
1786年にピエール・メシャンによって発見されました。
この彗星は、おうし座流星群の母彗星と考えられています。
終わりに
彗星の周期によっては一生に一度見れるか見れないかという彗星もあります。
「800年に一度の見ることができる彗星」
などなど、彗星はロマンに溢れていますね。